東亞寫眞タイムズ

都会

ザ・タイガース。GS時代の末期にヒットした「都会」。ジュリーの甘く切ないヴォーカルが多くの若い女性を虜にしました。

 

その頃の私・・・・・15歳の少年。高校は1学期でさよなら。街で知り合った不良仲間が住んでたアパートの隣にバス会社の寮。 付近の路上で煙草吸ってたら、寮の二階から顔出した可愛いお姉さんに声をかけられました。「あんた、いくつ?」と。「お前に関係ないだろ」と返すと、「子供が煙草吸ってるって警察に通報するわよ」と・・・・・そこから友達になり、おつきあいすることに。 彼女は長崎県の離島出身、高校を出てバス会社に入社1年目。つまり、私より3歳上。やや色黒でしたが、大きな瞳と長い髪、小柄でキュートな女の子。お茶目であっさりしてて、飾りっ気のない性格にすごく惹かれました。でも、翌年に退社して帰郷。 その後1度だけ手紙をもらい、それきり音信は途絶えましたが、10年後にまさかの再会。 

 

勤務先の忘年会の後、同僚に誘われて行ったピンクサロンで偶然私たちの席に付いたのが彼女。「ええええ?」と驚く私。 バスガイドなのにお国なまりがひどく、先輩に虐められたのが退社の原因。いったん郷里に帰ったものの、日々自分らが食べるのがやっとだった親から疎んじられ、姉を頼って長崎に。水商売で働いてるうちにろくでもない男に引っかかり・・・・その後紆余曲折あり、初めて働いた街に舞い戻ってこの商売に流れ着いたのでした。 十代の頃の清潔な印象は最早なく、すっかりプロの女。 

帰郷の時、「もうつきあえんけん、ごめんね」と、肩を震わせて泣いた可憐な女の子の面影は雲散霧消していました。 つくづく世の無常を感じた次第です。

しかし、彼女と出会わなかったら、私はドロップアウトのまま、学校生活に戻ることはなかったと思います。「高校ぐらいはせめて出とらんといかん」と諭してくれたのは彼女でした。 

 

今も「都会」を聴くと、最初と10年後の彼女の顔が、ビフォーアフターのごとく交互に脳裏をよぎります。 

 

あなたが消えた この街を歩けば

今日もたそがれ さみしくせまる

孤独な僕を やさしい心で

いつもあなたは 愛してくれた

それがなぜ 今はひとり

帰ってと帰ってと 叫んでみても

都会は何も こたえてはくれない

今日も人波に 流れてゆくよ

 




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