東亞寫眞タイムズ

ファミリア

またまた昭和の話になりますが、職場のえらいさんと喧嘩して退職した私。まあ病気みたいなもんですね。

可愛がってくれた先輩がいて、上司が固く禁じたにも関わらず、同僚数人を誘って送別会をやってくれました。そして数年が経ったある日、先輩と再会。友人と会社を興し、昼夜問わず必死で働いてた頃です。「がんばってやってるんだね」と、優しい笑顔で再会を喜んでくれた先輩、その時重大な問題を抱えていました。 奥様がなんと二人の子供を残して家出。 原因は好きな男が出来たと。 

 

「けじめをつけたい。居場所はわかってるが、私の性格では男と対決無理だ。」。たしかにこの温厚な人に乱暴なことは無理だと思いました。 

それで、世話になった先輩に恩返しすべく、昼間の空き時間を利用して相手の男を捉えに。 と言っても、まずは喫茶店で穏便な話をしただけ。×1独身でカラオケマシンの営業やってる男でした。40歳くらいのちょい悪風。身なりはチープ。奥様は同じ会社でパートやってて深い仲に。家出は関係を夫に知られたためです。

男曰く「俺はテクニックが優れてるので女が離れない」と。 この時点でおしまいだと思いました。 「訴えられるよ」と言ったら、「100万くらいならすぐ出せる」と。

当時マツダファミリアの限定車が120万くらいだったでしょうか・・・・。 早い話、小型乗用車1台分。「その程度の値段か・・・」と呟くと、男「何言ってるの、それ以上出すんだったら返すよ」と。 それから奥様に連絡。別な場所で会って頂きました。「あなたのお値段は100万円。それ以上要求されるなら関係は解消すると男が言ってます。ご主人は100万で同意してます。早い話が商談成立ですけど、どうしますか?」と単刀直入に。 この奥様・・・大柄で派手な顔立ち、男好きするタイプ。 私でも心動きそう。

 

奥様はみるみる形相が変わり、超怖い顔に変身。 「私の値段、そんなに安いの?そんでもって売られるわけ?」 私は淡々と答えました。「ええ、新車のファミリアでもそれより高いです。」 いたくプライドを傷つけられ、完全に自分を失った奥様、そのままサッと立ち上がって帰って行かれました。 その後、すぐに男と奥様は破局。 

完全に目が覚めた奥様は先輩の元に帰ってきて土下座、夫から「ファミリア」を略して「ファミちゃん」と呼ばれるようになり、事情を知らない子供たちからも「ファミちゃん」と囃され、たいそう落ち込んでいたそうです。なぜ離婚に至らなかったのか? 「わがまま自己中心な妻がすっかり従順になり、粗略な態度をとらなくなったので、何かと都合がいい。新しい嫁もらって気を遣うのも面倒だし、しばらく様子をみることにした」とのこと。 驚いたことに、相手の男から「大変悪いことをした。これは子供たちへ」と50万送ってきたそうです。さすがに「使用料50万か」等の無礼千万な言葉はぐっとこらえましたけど。当然ですが、謝礼は固辞。

 

現在はネットで様々な情報を簡単に得られるので、不倫で訴訟を起こす人が珍しくありませんが、30年も前だと、弁護士に依頼すること自体一般的ではなく、多くのケースが泣き寝入りだったことを付け加えておきます。 それから、先輩ご夫婦、今も仲良く登山を一緒にやっておられると聞いております。

 




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