東亞寫眞タイムズ

街を撮る

街を撮ると必然的に往来する人々も写ります。 また、人々がいるから街と言えるのです。しかし、近頃は肖像権、人格権がうるさく言われるようになってまいりました。人の顔も個人情報であると主張する方もおられます。法律上はどうかというと、他人の姿を勝手に撮影しても刑事罰の対象にはなりません。盗撮行為として取り締まられているのは、女性のスカートの中やお尻ばかりを狙って撮るとんでもない人たちですが、これは立派に猥褻行為に準ずるとして、都道府県で定める迷惑防止条例違反にて軽犯罪被疑者の部類に入れられます。ニュースで取り沙汰されることが多いので、重罪のように思われるでしょうが、拘留および罰金はあっても、懲役に行くまでには至りません。ただ、会社クビになるのと、妻子が去る可能性は大ですが・・・。

 

たとえば、道往く和服姿のきれいなおねえさんを無断で堂々正面から撮影、驚いたおねえさんが警察に通報しても逮捕はされません。

やって来た警察官は、通行人同士の些細なトラブルとして仲裁に入り、「嫌がってるからデータを消してはどうか?」と勧告するのみです。

もし、他人の姿を無断で撮ってはいけないという法律ができると、公共の場での自由な撮影は非常に難しくなります。

修学旅行生が東京駅で級友と記念写真を撮ることさえも憚られることになり、報道や国民の各種文化活動にも大きな支障をきたすことになるでしょう。

 

米国では、はっきりと、肖像権よりも表現の自由が優先されることを法律に定めているそうです。 つまり、街中で撮った写真や動画に見知らぬ人が写っていても、それをネットで公開するだけなら何らの咎めも受けないということです。ただし、商業利用する場合は、無断だと民事訴訟の要因となる可能性がありますが、これは「儲けるなら分け前出せ」ということです。

日本でも、ほぼ同じと考えてよいのですが、道徳的見地から他人の姿の無断撮影をするべきでないという認識が世間に浸透する過程で、無断撮影=違法行為という誤った解釈にすり替わったのだと思います。 戦時中の敵性語使用禁止と同じく、国家の発令だと、多くの人が思い込んでいたが、実は民間で勝手に発生し、広まった社会運動に過ぎなかった・・・これとよく似ています。

 

もちろん無断撮影を奨励しているのではありません。ただ、街の光景をカメラに収めたとき、そこにいる人々が写り込むのは当たり前のことです。その人々のすべてから許可を得ないと撮影してはならないという法律ができたとしたら、どうなると思いますか?

私はこの国にそのような間抜けな法律ができたら、他国へ移住するつもりです。

 

 




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