ハリマオ
Harimau マレー語で「虎」のことです。日本では「怪傑ハリマオ」で有名です。
ハリマオは実在の人物にて、日本名「谷 豊」といい、第二次大戦におけるマレー半島進攻作戦遂行の陰の功労者でした。
福岡県に生まれ、幼時に一家でマレー半島に移住、徴兵検査で帰国しましたが、丙種合格、言い換えたら不合格。しかたなくゴム工場に勤務するも、マレーに残った妹が華僑系暴徒に殺された事件をきっかけに再びマレーへ。
現地の若者たちと盗賊団を組織。華僑相手に暴れまくっていた谷豊に帝國陸軍作戦司令部は特務機関を通じて接触。進攻作戦の準備工作に協力を求めました。彼らの最大の功績は英軍の要塞「ジットラ・ライン」建設工事の妨害でした。
しかし、シンガポール陥落後、マラリアに侵された谷豊はモスリムの掟にこだわり、投薬を拒否して衰弱。ついに波乱の生涯を終えます。享年三十歳。
横暴な英軍と不良華僑集団に苦しめられたマレーの民衆にとって谷豊は英雄でした。敬虔なモスリムでもあった彼は「ハリマオ」と呼ばれ、伝説の男となったのです。
残された写真を見ると、虎と呼ぶのも憚られる、非常に繊細な印象の美男子であります。
♪真っ赤な太陽燃えている 果てない南の大空に~
テレビドラマのハリマオはガッチリした男前の俳優さんが演じていました。
しかし、あれはあれで大したもんで、乗馬もできるし、身のこなし軽く、殺陣も上手でした。
香港映画は日本の映画やドラマをずいぶんお手本にしているそうですが、そう言われてみると共通点が結構ありますね。なお、ハリマオの実話に沿った映画は89年に陣内孝則さん主演で制作されています。
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